夏越の大祓
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伝説の茅の輪で疫病退散
夏越の大祓(なごしのおおはらい) 執行
六月二十日、ギラつく日差しはないものの、蒸し暑く夕方の雨予報にも関わらず、傘を持った参拝客で多数来社された夏越の大祓。永谷天満官には今年も地元で採れた茅を使った茅の輸が境内に飾られた。
借越なから誇らしくも著者の私も茅を編みこませてもらった。私の慣れない手際にも関わらず長老たちと和気藹々に作業できた汗は爽やかだった。
踏んでも踏んでも折れない、まっすぐに伸びる茅の茎と鋭い葉、先人たちはこの強くてたくましい生命力にあやかろうとしたのではないかと、叡智に触れられた気がした。
人祓では「人形(ひとがた)」「車形」というものが登場する。人形で自分の体を撫で、最後にふっと息を吹きかける。まさにジブリの映画で竜の神が呪われ、人形(ひとがた)に追われるシーンを彷彿させてくれてワクワクする。
時代や文化は変われど、長生きしたい、幸せになりたいという人の心は変わらない。
変わらない儀式に触れられると.穏やかな気持ちになるのは躰(からだ)が喜んでいるからなのかもしれない。
人祓は夏越と年越の年二回。次回は十二月三十一日大晦日に穢れを祓って新しい節目を迎えられるよう、執り行われている。